【本の感想】女系家族(山崎豊子)
会社の社長に読み終わったからといただいた文庫本。
頻繁にドラマ化や映画化がされているので、本を読まない人でも知っている。
今まで手を出したことがなかったので、よい機会と思い読んでみた。
有名になるにはなるだけの読み応えのある本だという素直な感想。
今までは有名どころや難しそうなのはちょっと敬遠してきた傾向があるけど、
これからちょっと間口を広げて挑戦してみたら面白いかもしれないと思った。
ストーリーは、
大阪・船場の老舗木綿問屋「矢島商店」は、代々家付き娘が婿養子をとる女系の家である。社長・矢島嘉蔵が死去し、遺言によってその存在が発覚した身重の愛人・浜田文乃と嘉蔵の娘である三姉妹(矢島藤代・千寿・雛子)、更に彼女たちの叔母芳子や矢島商店の大番頭宇市、藤代の踊りの師匠である芳三郎らの思惑も絡まりあい、彼らの間で繰り広げられる莫大な遺産の相続を巡る凄絶な権謀術数のさまが描かれる。しかし、最後に笑うのは彼らが予想もしなかった人物であった。
(Wikipediaより)
というもの。
相続を巡って3姉妹と叔母、番頭、妾などなど、それぞれの欲を見事に描いていて、人間の欲の恐ろしさ、人間の怖さが体験できる。
最後のアッと言わせる幕引き。
欲、というのはなんとか薄めることはできないものだろうか。
欲がなければ、どんなにか楽だろうとは思いませんか。
多少の欲がなければ生きることはできないのでしょうが、
必要以上に欲がある必要はないとも思うわけで。
肉親だからこそ、許せない、譲れない、欲の突っ張り合い。
醜いと分かっていても争うことをやめられない。
そこに、人間の悲しいさがが見え隠れするような気がした。